NewCharacter is Robot - 静止画Creation Step01 - Modeling(モデリング)Creation Step02 - Texturing(テクスチャリング)Creation Step03 - Rigging(リギング)Creation Step04 - Rendering(レンダリング)Creation Step05 -Test Key(動作確認)

NewCharacter is Robot

2012年の春から制作を進めていた、新しいキャラクターがようやく完成しました。今回作ったのは、ロボット(Robot)です。3DCGを勉強している人なら、誰でも1度は作ってみたいと思う、代表的なテーマなのではないかと思います。このWebサイトの運営者である私が目指しているのは、優れたアニメーションを3DCGで作れるようになることです。なので、今回のロボットは動かしてアニメーションさせることを考えて、制作していきました。

というわけで、このページではどのようなプランや考えで、ロボット(Robot)を制作していったのか、過程を紹介していきます。大まかな紹介になるので、チュートリアル的な説明はできないと思いますが、各テーマの最後には、制作中に参考にした海外サイトや動画へのリンクも設置しておきます。もっと理解を深めたいという人は、ぜひリンクをたどって学んでください。今回の紹介ページが、これから何かを作ろうとしている人、まだ何を作ってよいのかわからない人へ、良い刺激になれば、反面教師となってもらえればと思っています。

Robotの画像

Concept & Design

アニメーションさせられる新しいロボット・キャラクターを作るのに、もっとも重要だと考えたのが、Originality(独創性)です。海外のCG関連サイトを巡ってみると、とんでもなく優れたデザインや技術のキャラクターがあふれています。それらを研究しながら、どんなロボットを作るべきか考えました。でもって、たどり着いたのが、次の3つのコンセプトです。

■ 1度見て、覚えてもらえるシンプルなデザイン。
■ 大人から子供まで、親しみを持ってもらえるキャラクター。
■ 苦労しながら夢を追いかけている、物語を持ったロボット。

3つのコンセプトは、ロボットを動かすこともふくめて考えたもので、自分の技術力の低さをアイディアで少しでも挽回しようという狙いでもあります。試しにデザインをノートに書いていく中で、どのようにすればコンセプトを実現できるのか見えてきました。3つのコンセプトをうまく共存させるために、ロボットのデザインを決めていくのに、いくつか工夫をしました。

ロボットの全身像の前面画像ロボットの全身像の前面画像

■ ロボットの物語として、かつて国連軍の一員として紛争地帯で工兵をしていたという設定を考えていたので、傾斜装甲を多用したり、吸排気口をたくさん付けたり、兵器っぽさが感じられるデザインにしました。
■ 親しみを持ってもらえるキャラクターを目指して、意図的に子供みたいな体型にしました。例えば、頭を大きくして球形に、手足をいくぶん短めに、大人を圧倒しないように背丈を160㎝にしています。

ロボットのデザインで、特に悩んだのが関節の部分です。特に肩や股関節など、自由度の高い関節をどうするのかが問題で、複雑にすると可動範囲が狭くなってしまう恐れがあったので、アニメーションさせることを優先して、シンプルな関節にしました。ですが、他にもっとエレガントな解決方法があったのではないかと、ちょっと後悔しています。

最後に、海外の3DCGキャラクターを研究するにあたって、参考にさせてもらった2つのサイトへのリンクを設置しておきます。海外の作品は数が豊富ですし、見るだけで学ぶことは多いので、オリジナルの作品を作るときは無数に見て研究すると良いと思います。

Galleries 3DTotal.com ▶
CG Gallery ▶



ロボットの全身像の後面画像ロボットの全身像の後面画像

Modeling & Texturing

ロボット(Robot)のモデリング(Modeling)で、もっとも作業を困難にしたのが、パーツの細かい部分を具体的に考えてなかったことです。今から思えば安易だったなと思うのですが、全体の姿形さえデザインしとけば、ロボットなんて簡単に作れるんじゃね?と思ってました。

実際にモデリングを始めてみると、それぞれのパーツがどのように機能しているのか、細かい部分のデザインはどうなっているのか、細かいところまでわかっていないとモデリングが進みません。おかげで、パーツを作るたびに細かい部分を何度もデザインすることになって、ずいぶん余計な手間がかかってしまいました。大いに反省するとともに、次にキャラクター作る時は、細かいところまで考えて、デザインすることの重要性を理解しました。

Robot胴体のTexture画像Robot胴体のTexture画像

ロボット(Robot)のテクスチャリング(Texturing)で目指したのは、ロボットの全身をおおっている金属の質感をうまく表現することです。コンセプトのところでも書きましたが、ロボットは国連軍の一員として紛争地帯で工兵をしていたという設定です。なので、緑色の装甲部分と、金属のむき出し部分を、うまく分けて表現することを目指しました。それからもう1つ、カメラがかなり近くても、細かいところまで表現されている質感を目指しました。

そこで、4K(4096×4096)というサイズでテクスチャを作りはじめたわけなのですが、無知とは恐ろしいものです。普通は全身のテクスチャを1つの画像で作るのですが、頭に4K、上半身に4K、右腕に4K、左腕に4Kという感じで作ってしまいました。おかげで、アップにも耐えられる細かい質感を得ることはできたのですが、制作にかなりの時間がかかりました。

最後に、テクスチャリングの時に使わせてもらった無料のテクスチャ画像のサイトと、グラフィックデザインで使われるブラシ素材をまとめたページへのリンクを設置しておきます。今回のロボットのテクスチャリングでは、元となる画像は無料サイトからダウンロードして、それから加工を施して使っています。また、その他の部品やブラシ素材は、ダウンロードした画像から自分で作りました。

[CG Textures]▶
- Photoshop VIP ブラシまとめ ▶


Robotの足のTexture画像Robotの足のTexture画像

Rigging & Rendering

Robotのリギング(Rigging)でもっとも重要視したのが、コントローラーの数をいかに少なくシンプルにするかでした。動画や雑誌などでリギングされたキャラクターを調べてみると、無数のコントローラーがあって、細かいアニメーションが可能になっています。特に人間など、顔に表情を付けなければならないキャラクターの場合、操作しなければならないパラメーターがとても増えるので、コントローラーが増えるのも当然です。

さまざまな動きを実現するために、たくさんのパラメーターを操作しなければならないのは構造的に仕方ないのですが、パラメーターが増えることと、コントローラーが増えることが=(イコール)であっていいはずがありません。コントローラーが少なければ、アニメーションを付けるのも簡単になりますし、私のような個人作業にとって、時間の節約にもなります。

なわけで、簡単な数値変更で動かせそうなパーツは、Add Atributeと Set Driven Keyを使って、コントローラーにまとめました。例えば、ロボットの両手の指の動きは、手首のコントローラーの Channel Boxで管理していて、数値を上げ下げすることで、指を開いたり曲げたりできるようにしています。コントローラーの数を可能なかぎり少なくしたおかげで、今回のロボットはかなり簡単に動かせるようになっています。


RobotをRiggingしているところの画像RobotをRiggingしているところの画像

Robotのレンダリング(Rendering)で目指したのが、mental rayというレンダラーを思いっきり使ってみることでした。mental rayは普段から使ってはいたのですが、キレイな画像が出るなぐらいの認識しかなく、どんな特徴を持っているのか?、なにが得意で不得意なのか?、ちっとも知りませんでした。それから、マテリアルも今までは、Blinnとか Phongとか一般的なものしか使ったことがありませんでしたが、mental ray専用のマテリアルが存在することを知って、試しに "mia_material_x_passes"という専用マテリアルを使ってみることにしました。

■ 質が大きく損なわれない範囲で、可能なかぎりレンダリング時間を短くする。静止画作品であれば、レンダリングに1時間かかっても良いけど、個人制作のアニメーションの場合、1分ぐらいが限度かなと思っています。
■ 光をどの方向からどんな色彩で当てるかで、キャラクターの印象が大きく変わる。なので、どんなイメージを持ってもらいたいのか、よく考えた上で光を設定する必要がある。今回の場合、光源(Light)には必ず微妙に色を付けるようにしていて、光を当てる方向によって色も変えています。
■ どの方向からキャラクターや場面を見せるのか、カメラの位置や方向でも印象が大きく変わる。今回のような正面からのカメラでも、単純に正面にカメラを設定しているわけではなく、上下に微妙に角度を付けたり、焦点距離(Focal Length)を変えたりしています。

最後に、リギング(Rigging)の時に参考にさせてもらった海外の動画2本と、mental rayを勉強する上で欠かすことができなかったブログ2本へのリンクを設置しておきます。

Maya/Rigging : Using groups your rigs ▶
Spline IK Setup and basic controls ▶
mental ray for maya beginer's ▶
No more Retake ▶



Robotがポーズを付けているRendering画像Robotがポーズを付けているRendering画像

Robotの制作を終えて...

他に仕事をしながら、オリジナルのキャラクターを制作するのは、思っていたより大変な作業でしたし、思っていたより多くの時間がかかりました。制作していたもっとも大変だったのが、キャラクターに対する自分の感情でした。ある時は、"これは本当によくできた素晴らしいキャラクターだ!"と思い、またある時は、"これは史上最悪のヘタクソなキャラクターだ!"と思ったりして、大きな感情の揺れを何度も経験しました。

これは、オリジナル作品の創作をしたことがある人間なら、国籍、性別、年齢に関係なくやって来る感情で、悪い感情に負けて制作を止めてしまう人も多数います。Robotのキャラクターが完成した時も、ずいぶん悪い感情に襲われていて、"こんなキャラクター誰にも見せたくない!"と思ってました。それが大きく変わったのが、Robotにポーズを付けて画像を出した時でした。ちょっと大げさかもしれませんが、自分が作ったキャラクターに命が宿ったような気がして、目指していた"大人から子供まで、親しみを持ってもらえるRobot"にちゃんとなっていると思って、嬉しくなりました。

デザインに必要な文房具の画像

今回制作した Robotに問題がないかというと、そんなことはありません。制作した自分でも書くのもなんですが、数えだしたら切りがないぐらい問題を指摘することができます。"あそこのパーツをもっと細かく作っておけば良かった..."とか、"あそこの質感設定が中途半端で、表現が甘い..."とか、そんなのばかりです。しかし、多くの後悔があったとしても、なにも作らないより作ったほうが良いし、なにも公開しないより大々的に公開したほうが良いと思うのです。

今後の予定としては、今回制作した Robotキャラクターを存分に動かして、アニメーションを作りたいと思っています。アニメーションといっても、準備できているのは キャラクターと背景ぐらいなので、大掛かりな作品を作ることはできません。目標としては、"動きだけで Robotの感情や行動が伝わってくるアニメーションを作る!"ことで、動きで Robotに魂を込めることができたら最高です。どんなに失敗したって、どんどん前進していくので、楽しみにもらえたら嬉しいです。

September 29, 2012 おの なおと(naoto ono)

コーヒーを飲んで休憩している画像