Test Pitching Robot Animation

Robotのキャラクターを完成させてから、早くも数ヶ月。ようやく、Robotにまとまった動きを付けることができました。今回制作したのは、ロボットがマウンドまで歩いてきて、ピッチングを始めるという動きを、4つのカメラで順番に見せていくアニメーションです。1つの動きを4つのカメラで見せるのは、さまざまな方向から動きが見えるようにするため。ロボットの動きだけで、特に内容はありませんが、自作したロボットが動くのを見てると、ちょっと心が躍ってきます。

①. ロボットらしい動きを表現する。
②. 新しい編集ソフトを試してみる。
③. 音楽はなしで、効果音を付けてみる。

今回のアニメーションを制作するのにあたって、自分なりに考えた3つの目標です。アニメーションの内容だけでなく、編集についての目標を立てたのは、今後の制作環境や展開のために、いろいろ試しておく必要があったからです。アニメーションは1秒を30フレームで制作していて、ソフトウェアはMaya2011、合計で2,400枚のPNG画像をレンダリングしています。1枚のPNG画像をレンダリングするのに必要な時間は、だいたい1分10秒ぐらいで、過去の経験からレンダリング時間は、1枚1分前後というのを目標にしています。

Test Pitching Robot Animation 01の画像

ロボット 歩行横向きの解説画像ロボット 歩行横向きの解説画像

歩行アニメーション 横向き

歩行アニメーションは、Robotがピッチャーズ・マウンドへ行くまでの動きです。解説画像にある番号は、実際にキーを打った(ポーズをつけた)フレーム番号で、計算するとRobotは16フレームで1歩前進していることになります。

最初のF.17は右足が地面に触れる瞬間のポーズで、アニメーションの世界ではコンタクト・ポジションと呼ばれています。最後のF.33はRobotが1歩前進して、左足が地面に触れる瞬間のコンタクト・ポジションということになります。

F.21はダウン・ポジションと呼ばれているもので、Robotの体重が右足に乗っていて、重心がもっとも低い状態です。F.29はアップ・ポジションと呼ばれているもので、Robotが地面を蹴り上げたところで、重心がもっとも高い状態です。

F.32は左足が地面に触れる直前のフレームで、F.29で上げた左足が、まだ上がったままの状態であることに注目してほしい。F.33が左足が地面に触れる瞬間のフレームなので、わずか1フレームという早さで地面を踏んでいることになる。この早さのおかげで、Robotの動きがずいぶんカクカクした感じになってくれた。

ちなみに、歩行のポーズをつけた順番は、F.17→F.33→F.21→F.29→F.32です。ここでは、5つのキー(ポーズ)だけを紹介しているけれど、実際にはF.17〜33の間に、他に2つのキーを打って、動きを補完しています。

ロボット 歩行正面の解説画像ロボット 歩行正面の解説画像

歩行アニメーション 正面

歩行アニメーションの正面では、Robotの両腕の動きを中心に、あれこれ解説していきます。上のところでは書いていませんが、歩行アニメーションでは、ロボットらしい動きを実現するのはもちろんのこと、Robotが気合いを入れてマウンドへ行く感じも表現したいと考えていました。

で思いついたのが、両腕を前後に大きく振るのではなく、左右に大きく振ったら気合いを入れて歩いてるように見えるんちゃう?ということで、実際に動きを付けたのが上の画像になります。

通常、両腕を前後に振る場合、振り幅が最大になるのは、片足が地面を踏んだぐらいのタイミングになります。上の画像だと、F.19あたりになるのではないかと思います。 ところが、そのタイミングで両腕を左右に振る動きを付けてみたところ、なんか妙な違和感が感じられました。

そこで、両腕が左右にもっとも大きく振れるタイミングを、コンタクト・ポジションとコンタクト・ポジションの中間(F.25)にしてみました。しかし、今度は両足の動きと、両足の動きがあまりに一致しすぎてしまって、またまた変な違和感を感じる結果になってしまいました。

改めて体の動きと腕の振りを考えてみると、両腕に左右に振る動きは、体の上下の動きに大きく関係しているはずです。そこで、アップ・ポジションであるF.29に、腕の振りをもっとも大きくしてみました。すると今度は、歩く動きと両腕の振りのタイミングがうまくズレて、気合いを入れてピッチャーズ・マウンドへ歩いている感じになりました。

ロボット 投球横向きの解説画像ロボット 投球横向きの解説画像

投球アニメーション 横向き

最初に注意点として、制作したアニメーションではRobotは左手でボールを投げていますが、解説画像ではRobotは右手でボールを投げています。これは、左投げで解説画像を作ると、時間の経過が右から左へと展開してしまい、少しばかり分りづらいからでして、投球アニメーションの動作画像を、わざと左右を反転させています。

投球アニメーションを作るのにあたって、参考にしたのはYouTubeなどにアップされている、メジャーリーグの一流投手たちの投球フォームです。最初は、彼らのフォームをそのままマネして投球アニメーションを作りましたところ、確かにそっくりの動きになりました。しかし、あまりに人間らしい動きになってしまい、ロボットらしさがまったく感じられませんでした。

どうしたら、ロボットらしい投球動作になるのか? あれこれ考えて、ロボットらしい動きを目指していくつか工夫をしました。

まずボールを投げる前に、足を上げた状態でボールを持った腕をぐるぐる回ることにしました(解説画像なし)。次に、ボールを投げた後に、Robotがその勢いでジャンプして、着地することにして(F.522)、ジャンプする動きをより強調するために、投球までの動きを可能な限り低くすることにしました(F.516)。

人間が投球する場合、ボールを持ってない腕は、体のほうへ折り畳んで体を回転させます。ところが、それでは動きが小さく見えてしまうので、ボールを持ってない腕を振って、それからボールを持っている腕を振ることにしました(F510→516)。

ロボット 投球正面の解説画像ロボット 投球正面の解説画像

アニメーション制作の反省点

投球アニメーションの正面については、重心の移動と、振り上げた足をクロスして着地させているところぐらいがポイントです。他にあまり解説するほどの要素がないので、ここではアニメーションを制作していて、良かった点と悪かった点について書いていきたいと思います。

今回、Robotのアニメーションを制作していて、一番の失敗だったのが、Robotの手足が短いことでした。なぜなのか?というと、キャラクターの動きを大きく見せようと懸命に動きを付けても、手足が短いとそれだけで動作が小さく見えてしまいます。

そもそもRobotのキャラクターは、子供みたいな可愛らしさを表現するために、あえて手足の長さを短くして制作しました。静止画用のキャラクターとして制作したなら、それで良かったと思うのですが、ダイナミックに動かすことが前提のキャラクターとしては、手足の短さは致命的な欠点となってしまいました。

逆に、今回の制作でうまく成功したなと思うのが、RobotのRig(リグ)を可能な限りシンプルにしたことでした。Rigというのは、キャラクターの骨組みに当たる構造のことで、人間キャラであれ動物キャラであれ、Rigをうまく組んでやらないとキャラクターを動かすことができません。

複雑なRigを組めば、それだけ複雑な動きを付けられるようになるのですが、複雑な分だけ時間もかかってしまいます。そこで時間を節約するために、可能な限りRigをシンプルにしたわけなのですが、おかげで動きを付けるのが楽でした。

Final Cut Pro X 編集画面01.jpgFinal Cut Pro X 編集画面01.jpg

編集作業について?

編集作業は、新たにAppleが開発しているFinal Cut Pro Xを購入したので、それで行いました。映像の編集作業は、4つのカメラでレンダリングしたアニメーションを並べるだけなので、編集の練習にもならないほど簡単でした。

効果音については、もともとFinal Cut Pro Xに数多くの効果音が入っていたので、それをあれこれ組み合わせながら編集しました。厄介だったのが、効果音を付けることを目標にしていたものの、具体的な音の設計までは考えていなかったことです。

ですから、何度も効果音を付けたり外したりしながら、試行錯誤を重ねて編集しました。全ての動きに効果音を付ければ、それで良い感じになるかというと、そうでもなくて、効果音を付けるだけなのに、ずいぶん時間と労力が必要となりました。

上に設置しているのは、Final Cut Pro Xの編集画面で、深い青色が映像のクリップ、緑色が音のクリップ、紫色がテキスト(タイトルなどの文字)のクリップです。実際に効果音を付けることができるようになったので、今後は音による演出なども可能になったなと思っています。


今後の展開とパイプライン


次の制作からは、自分の活動をさらに進化させるべく、今まで使ってきたソフトウェアを全て変更するつもりでいます。今までは、3DCGの制作をMaya、画像の編集をPhotoshop、映像編集をAfter Effectsで行ってきましたが、これらをすべて新しいものに一新します。

その理由は、これらのソフトウェアが非常に高価で、新しいバージョンを手に入れるのに負担が重すぎるからです。デジタルの世界では、日進月歩で開発競争が行われていて、古いバージョンを古い方法で使いつづけることは、緩やかな後退を意味します。

個人制作であれ、巨大なチームであれ、デジタルの世界で生き残るためには、常に新しい技術やイノベーションを吸収していく必要があります。コストの負担が重たいと、それだけ新しいものを吸収しにくくなります。

もう1つの理由が、これらのソフトウェアが革新的なものではなくなりつつあるからです。開発をしているAutodeskも、Adobeも、高い技術力を持っていると思いますが、より簡単に、より早く、より美しくというユーザー重視の点で、遅れを取りはじめている気がしています。

新しく導入するソフトウェアは、3DCGの制作がmodo、画像の編集がPixelmator、映像編集がFinal Cut Proです。さすがにmodoはそこそこの価格になりますが、アップデートであればかなり安くなりますし、PixelmatorとFinal Cut Proの2つに関しては、2013年6月現在で合わせて3万円もかかりません。おまけに、これらの3つのソフトウェアは、開発企業がどこもユーザー重視の開発姿勢を示していて、実際に使ってみると、確かに使いやすさが重視されています。

というわけで、次回の制作はmodoの機能の学習を目的として、なにか作ってみたいと思っています。modoについては、まだまだ学習中なので、具体的にどんなものを作るか考えていませんが、新しいことにどんどん挑戦していけたらと思っています。

2013.06.08 naoto ono

パイプラインの大変更を解説する画像